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296我楽多製作工房週誌

窯のアスベスト含有シール材有料交換問題

窯とアスベスト。
当方ブログに、12月1日付けで、窯販売業者よりのアスベスト含有シール材有料交換に付いての事、12月2日付で製造物責任法(PL法)の事を書きましたが、その後各方面に問い合わせた結果のご報告です。
 
 問い合わせ先   茨城県消費者生活支援センター・土浦分室。
            茨城県生活環境部環境対策課・廃棄物対策課
            石岡市環境対策課
            宇都宮市廃棄物対策課
            茨城県産業廃棄物協会
            茨城県産業廃棄物協会加盟の産廃物処理業者一社

それにより分かったことは以下のとうりです。
まず、アスベスト材含有のシール材使用の窯の業者製造責任については、製造物責任法(PL法)が適用されるのは、製造物の欠陥によって,窯使用者本人の生命,身体に被害をもたらした場合や,欠陥のある製造物以外の財産に損害が発生したとき(「拡大損害」が生じたとき)とされているので、使用者に実際に健康被害が出ている場合で無ければ今のところは適用されないということが分かりました.
 ただしアスベストのことが社会問題となり、窯の使用者本人でなくとも、アスベスト使用製造工場等の従業員等に健康被害が出ている事から、第三者としての窯の使用者にもこの法律の適用を求め提訴し裁判所が認めた場合は別ですが、その場合には、まず窯製造販売業者へ内容証明にて無料交換を求めたのち、応じなければ提訴するという事になります。しかしアスベストの危険性が何時頃から予見できていたかとか、今現在はつきり白石綿使用物の使用販売が禁止されていない等の問題があり、裁判所が適用を認める可能性は少ないとした方がいいでしょう。他に瑕疵担保責任での賠償請求したりする事もできるかもしれませんが、両方とも10万以下ですので、簡易裁判所の管轄で裁判費用も少額で、裁判官の仲裁により和解交渉で解決を図ることも出来、当日裁判の判断はでるであろうとは思われますが、金額の割にかなりのエネルギ-は費やすことになるでしょう
 窯のシール材等の処理については使用者が生業として使用しているか、趣味で使用しているかによって扱いが違います.個人事業主としての使用の場合は特別管理産業廃棄物としてより厳格な処理が求められ産廃処理業者を利用しての廃棄しかできない一方、個人の趣味利用の窯の場合でも特別管理産業廃棄物に準じての処分という事で、有資格者による取り外し解体と、各市町村の廃棄物担当窓口より各県産業廃棄物協会加盟の処理業者を紹介してもらい有料にて処分してもらうという事になるとのことです。取り外しから交換まで自分で行うことは、現行法令上では原則として難しいと理解していいでしょう。さて処理業者に依頼した場合の費用ですが、生業として使用している場合も、個人が趣味で使用の場合も、処理費用は、一社のみへの問い合わせですが、飛散型の物と非飛散方のものとによって違いますが、非飛散方はキロ40円ということでした。シール材はどう見ても5キロ以下でしょう。200円か、高くなっても1000円以下と思われます、どちらの場合も現在定められた法令を守って処理しようとすれば、取り外しも専門有資格業者がすることが求められるので、産廃処理費用のほか、取り外し費用も別途かかることになります。よって個人使用であるからといっても、家庭から出るゴミとしての無料収集はできないとのことです。
 公設の窯の場合はともかく、個人の趣味、個人事業主どちらの場合も、例によって行政は民亊不介入という事で行政指導等はまったく望めません。こうしたことでは今後アスベストの不法投棄等も増えてくるのではないでしょうか。
 ちなみにイソウール値引きなしで普通に小売で買うとしても耐火度1500度1200×600×60㎜、6850円です。
 さて以上の事から、今回のケースでは、適用されることは今のところ無いものの製造物責任法が設けられている趣旨と使用(消費)者側に一方的にの責任のある事ではないことから、交換費用全額を使用者側が負担することは、高すぎる事もあり納得できない事、製造者の責任の方も皆無とは言えないであろうこと等を主張し、取り外しと処分費用、材料費の内訳の説明、そして使用されているのが本当に白石綿であるのかどうかその根拠の説明提示を求め、納得のいくまで粘り強く交渉していくことしかないようです。応じないという事であれば、処理業者を自分で探し、イソウールの貼り付けのみを安くかえるところで購入し自分でつけるとかすれば、2万円はかからないのではないでしょうか。相手が交渉に応じない業者であれば、そのような業者との取引を今後続けるのが良いのかどうかの判断材料にしていけばいいと考えます。
 当方の今後の交渉過程、結果等は当方ブログにて公開していく予定です。  


             
by igaigapon | 2005-12-02 15:04 | 我楽多ー陶芸試行錯誤